オフィス移転で押さえるべきポイント
【オフィス移転はやることがいっぱい】
オフィス移転は検討することが山のようにあります。そしてオフィス移転は総務部門だけでなく、オフィス全
員が関わる壮大な一大プロジェクトになります。充分な準備期間をとることで見落としをなくし万全な体制で
すすめたいものです。
オフィス移転にはどれくらいの準備期間を必要とするのか・・・できればオフィス移転には6ヵ月以上の余裕
を持ったスケジュールを組むことをおすすめいたします。
このページではオフィス移転を成功させるために押さえておきたいポイントをまとめました。
ポイント① ーオフィス移転の目的は?ー
オフィス移転には必ず目的があります。そして、せっかくオフィス移転をするのであれば「この課題も解決し
たい」「あの仕組みも導入したい」などの二次的な目的も発生してきます。
そういった大小さまざまな目的、課題を整理し優先順位をつけましょう。
オフィス移転の目的、方向性を明確にすることで、社員、そしてオフィス移転に関わる多くの業者とベクトル
を合わせることができ、効率的にオフィス移転計画を進めることができます。
ポイント② -移転時期をいつにするか?-
いつまでに移転するのか?オフィス移転の目的によって希望時期が決まってくるかもしれません。一方で現在
入居しているオフィスの契約期間を考慮に入れなくてはいけません。
【途中解約するとどうなる?】
契約期間中の解約は一般的な賃貸オフィスの場合、賃貸オフィスのオーナーに対し6ヵ月前までに解約予告を
行わなければいけません。
解約予告期間内に解約するとその期間の賃料や共益費も支払わなければなりません。
その為、オフィス移転の費用が大きく膨れ上がってしまいます。契約内容はオフィス移転時期を検討するため
にまず押さえるべき重要なポイントになります。
留意点としてオフィスの契約期間中にオフィスを退去するだけではなく、契約期間内に原状回復工事を行いオ
ーナーに引き渡さなければならないことがあります。
ポイント③ -概算費用-
大まかな予算を把握する。正確な予算はある程度、計画を煮詰めていかなくては明確になりませんが、だいた
いどういった費用が掛かるのか、大よそでも掴んでおかなければ後々思いもよらない費用が発生し、計画の見
直しを迫られることになるかもしれません。では、どのような費用が掛かるのでしょうか。
【新オフィスの契約時にかかる費用】
礼金、敷金、保証金、前家賃、仲介手数料
礼金は賃料の1ヵ月分、敷金は賃料の4~8ヵ月分が目安になります。保証金は仙台の賃貸オフィスでは無い
ところが多いようです。賃貸オフィスの仲介料は最大で賃料の1ヵ月分になります。
【新オフィスの内装工事費】
一般的なオフィスで考えると坪10万円が目安になります。
多くの賃貸オフィスはタイルカーペットやブラインド等のベーシックな内装は既に施されています。しかし、
そのまま使う場合は少ないのではないでしょうか。少なくともエントランスや応接室などの間仕切は必要にな
ると思います。
更に自由にオフィスをつくろうと思うと床材の変更、間仕切の設置、照明の変更、そしてオフィスの顔ともい
えるエントランスの空間演出など、どういうオフィスにするかによって費用は大幅に異なります。
【新オフィスの新規什器購入費】
オフィス移転を機に心機一転、オフィス家具をすべて入れ替えるのか、それとも極力既存のオフィス家具を
移設するのか、すべて入れ替える場合は既存オフィス家具の廃棄費も発生します。オフィス家具を中古として
査定してもらうこともお勧めします。
【新オフィスのネットワーク、電話配線工事費】
こちらも目安として、1人当たり5万円になります。LANが有線なのか無線なのかなど、様々な要素により費
用は変わってきます。
こちらも目安として、1人当たり5万円になります。LANが有線なのか無線なのかなど、様々な要素により費
用は変わってきます。
【オフィスの引越し費用】
引越しは1人当たり3万円ほどが目安です。引越し時には不用なものが多く出てきますが、不用品の廃棄費用
は別途発生します。
【パソコン、電話、複合機、プリンター等のIT機器移動費用】
移転先でのビジネスフォン設置、デスクトップパソコン等の組立や結線、複合機などリース物件の場合には引
越業者の他に別途費用が発生する場合もございます。
【原状回復工事費】
賃貸オフィスの場合、入居中のオフィスの原状回復工事の費用は借主が負担しなければいけません。一般的な
目安は1坪当たり3万円が目安になります。入居時に内装を大幅に変更している場合にはさらに多くの費用が
掛かります。
賃貸オフィスの場合、入居中のオフィスの原状回復工事の費用は借主が負担しなければいけません。一般的な
目安は1坪当たり3万円が目安になります。入居時に内装を大幅に変更している場合にはさらに多くの費用が
掛かります。
その他、移転挨拶状の作成発送、新住所の名刺、社名入封筒等の作成などの費用も発生します。
ポイント④ ー新オフィスの選定ー
【柱の位置にも注意】
新しいオフィスに必要な面積が何坪なのかを割り出し、その坪数を目安にオフィス探しをしますが、同じ坪数
でも柱や窓の位置により使い勝手が違います。
例えば、オフィス内に柱が何本かあるだけでレイアウトの自由度が下がります。もちろん柱を有効に利用して
レイアウトすることもできますが、制約が多くなってしまします。
また、オフィスの面積は柱も含んでいますので、実際の床面積は柱の面積だけ小さくなる点に注意が必要で
す。
【新耐震基準は満たしているか】
耐震基準を満たしているかも確認したいポイントです。宮城県沖地震をきっかけに1981年6月1日に現行の
新耐震基準が施行されました。築年がこの前後の建物は念のため耐震基準を満たしているか確認すると良い
でしょう。
ポイント⑤ -オフィスデザイン、レイアウトの検討ー
【コンセプトを決めましょう】
オフィスデザインはコンセプトを明確にすることです。オフィス移転をきっかけにどういうオフィスにしたい
のか、「コミュニケーションがとりやすいオフィス」「情報を守れる安全なオフィス」「シンプルで機能的な
オフィス」・・・企業によって千差万別です。
オフィスレイアウトはまず、ゾーニングについて検討します。必要な部屋、コーナーなどの場所を大まかに決
めていくことです。効率的なオフィス、セキュアなオフィスにするためにゾーニングは重要になります。情報
セキュリティの観点からも、応接室にお客様をご案内する動線上に執務室があったり、応接室から執務室のパ
ソコン画面などが見えたりするのは良くありません。また、ワーカーの動線も考慮してゾーニングを検討しま
しょう。
【フリーアドレス・ABW】
ゾーニングに基づいてオフィス家具をレイアウトしていきます。従来から一人用のデスクを島型に組合せたレ
イアウトが多いですが、近年では一台の大きなフリーデスクを置き、固定席を設けないフリーアドレスや、
ABW(Activity Based Working)というその時々の仕事内容に適したさまざまなタイプの席を用意し、ワー
カーが自由に席を選ぶことができるオフィス環境、オフィスレイアウトが注目されています。
【間仕切のレイアウト】
オフィス家具のレイアウトと同時に間仕切の設置位置を決めていきます。間仕切は新オフィスの現場調査をし
オフィス家具のレイアウトと同時に間仕切の設置位置を決めていきます。間仕切は新オフィスの現場調査をし
っかりと行ったうえで決めます。天井の設備(照明器具や空調、煙感知器、スプリンクラーなど)が間仕切の
ラインに掛からないかを確認します。間仕切は天井と床に柱を突っ張り、建付けするので天井の設備が間仕切
の柱の位置に掛かると設備を動かさなくてはいけません。当然ですが設備を動かさないほうが費用は掛からな
いので極力設備を避けてレイアウトします。どうしてもその位置でなくてはならない場合は天井設備を移設し
ます。費用は在来天井なのかシステム天井なのかでも違ってきます。
【ランマはオープンかクローズか】
間仕切のランマがオープンの場合は天井設備をかわして柱を割り付けることもできますが、間仕切のランマを
クローズにする場合は基本的に間仕切ラインの照明、空調は動かさなくてはいけません。また消防法の兼ね合
いから煙感知器、スプリンクラーなどの消防設備の移設、増設も必要になる場合があります。
ポイント⑥ -オフィス家具の選定ー
【既存のオフィス家具を移設するか、新しく購入するか】
オフィスデザイン、レイアウトと並行して、オフィス家具の選定も進めましょう。
既存のオフィス家具を移設する場合は、オフィス家具のサイズと台数の調査、ローパーティションを移設する
場合はパネルのサイズだけではなく、中間支柱やコーナー支柱、エンドカバーなどの員数も調べ上げ、移転先
でのレイアウトを組むことができるかを検討しましょう。部材の追加が必要になる場合もあります。また、日
焼けで色落ちしたパネルがあれば目立たないところに割り付けるなどの工夫をすることで有効に活用できま
す。
【オフィス家具のメーカーはどこがいい?】
デザインの嗜好や信頼性などブランドから選定することもあるでしょう。あるいは価格重視で選ぶこともあり
ます。トップメーカーのオフィス家具は丈夫で長持ちなのはもちろん、デザインがスタイリッシュで、カラー
バリエーション、サイズバリエーションも豊富です。時流を先取りした斬新なオフィス家具など常に様々なオ
フィスを想定したアイテムが揃っています。
場所によってメリハリをつけることも考えられます。例えば、来訪者の目につく場所はグレードが高くデザイ
ン性のあるオフィス家具、そうでない場所は価格重視で選定するなど、割り切って全体の費用のバランスをと
るという考え方もあります。
ポイント⑦ -ITインフラの検討ー
【オフィス移転はITインフラ見直しのいい機会】
新オフィスでは有線LANにするのか、無線LANを導入するのか、電話は固定電話にするかスマホの内線化を導
入するか等、オフィス移転を機に働き方に合うITインフラを検討してみてはいかがでしょう。オフィス移転
をきっかけにオフィス内に設置していたサーバーをクラウドに切替えるという企業もあります。
ポイント⑧ -引越し業者の選定ー
【信頼感で選びましょう】
引越し業者選定では3件以上は見積依頼をしましょう。金額だけでなく人数配置、段取り、サービス内容を見
比べ、無理なく信頼してお任せできる業者を選びましょう。価格の安さだけに目を奪われず、期待しているサ
ービスを満たしているのかを十分に吟味してください。
ポイント⑨ -原状回復工事ー
最後は原状回復工事です。ビルオーナーが指定する工事業者がいる場合が大半です。その場合はトラブルにな
らないよう素直に指定された業者に依頼するのが得策です。ただし、割高にならないか注意が必要です。